腰部脊柱管狭窄症の症状・原因と、体に優しい最新の内視鏡手術(FESS)|脊椎外科医が解説


1. 脊柱管狭窄症とは:なぜ「歩くと足がしびれる」のか

脊柱管狭窄症は、背骨の中を通る神経の通り道(脊柱管)が、加齢による骨の変形や靭帯の肥厚によって狭くなる病気です。

  • 最大の特徴「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」:
    歩き始めは平気でも、しばらくすると足にしびれや痛みが出てきたり、足が重くなってきたり感覚がなくなってきて歩けなくなり、少し休む(前屈みになる)とまた歩けるようになる症状です。
  • なぜ前屈みが楽なのか?:
    前屈みになることで、一時的に脊柱管が広がり、神経への圧迫が緩和されるためです。スーパーのカートを押したり、自転車に乗ったりするのが楽なのもこのためです。

2. 脊柱管狭窄症の主な症状と進行

  • 下肢のしびれ・痛み: お尻から足先にかけて電気が走るような痛みや違和感。
  • 歩行困難: 連続して歩ける距離が徐々に短くなっていきます。
  • 重症化のサイン: 足の力が入りにくい(脱力感)、排尿・排便の異常、安静にしていてもしびれが強い場合は早めの受診が必要です。

3. 当院が提案する最新の低侵襲治療:FESS(完全内視鏡下脊椎手術)

従来の「大きく切開する手術」に不安を感じ、痛みを我慢し続けている患者様が多くいらっしゃいます。私は、「自分や家族が受けたい治療」として、最も身体に負担の少ないFESS(フェス)を専門としています。

FESSの圧倒的なメリット

  1. 傷口はわずか約8mm:
    1cmに満たない小さな切開から内視鏡を挿入します。
  2. 筋肉や組織を傷つけない:
    従来の顕微鏡手術(MED等)よりもさらに細い内視鏡を使用するため、周囲の正常な筋肉や骨を削る量を最小限に抑えられます。
  3. 早期の社会復帰(最短で翌日退院も可能):
    出血がほとんどなく、術後の痛みが劇的に少ないため、ご高齢の方や早期に仕事復帰したい方にも適しています。

4. 手術の考え方:脊柱管の「広さ」を再構築する

手術では、神経を圧迫している原因(分厚くなった靭帯や、飛び出した骨)を内視鏡で確認しながら精密に取り除きます。脊柱管の本来の広さを取り戻すことで、神経の血流を改善し、症状を根本から解消することを目指します。

5. メッセージ:諦める前に「脊椎内視鏡」という選択肢を

「歳だから仕方ない」と諦める必要はありません。最新の内視鏡技術を用いれば、身体への負担を最小限に抑えながら、再び自分の足でしっかりと歩ける喜びを取り戻すことが可能です。

「FESSはすべての患者様に適応できるわけではありません。脊椎の状態によっては従来法が適している場合もあります。私は『技術認定医』として、それぞれのメリット・リスクを十分に説明し、納得いただいた上で最適な治療を選択しています。」


詳細な診察やFESS手術のご相談は、さいたま記念病院にて承っております。

さいたま記念病院 

文責 油井 充(日本整形外科学会 脊椎内視鏡手術 技術認定医3種)


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