このサイトにたどり着いた方の多くは、腰や足の痛み・しびれで日常生活に支障が出ていて、手術を考え始めている方ではないかと思います。ネットで調べているうちに「内視鏡手術」というものがあることを知り、「埼玉でも受けられるのだろうか」と検索された方もいらっしゃるかもしれません。そういった方に向けて、できるだけ率直にお伝えしたいと思います。

脊椎の内視鏡手術(FESS)について

FESS(Full Endoscopic Spine Surgery)は、従来数センチ切らなければできなかった手術を、8mmほどの小さな傷で行う術式です。傷が小さい分、筋肉や周辺組織へのダメージが少なく、術後の腰の痛みが従来手術より少ないという特徴があります。腰椎椎間板ヘルニアであれば標準的に2泊3日、腰部脊柱管狭窄症であれば7泊8日程度の入院が目安です。

ただし、内視鏡手術がすべての患者さんに向いているわけではありません。背骨のぐらつきがある方や、複数箇所を同時に手術する必要がある方には、従来の固定術の方が結果として症状が取れやすいケースもあります。私自身は「すべての手術を内視鏡で」という考え方はしておらず、患者さんの状態に合わせた方法を提案するよう心がけています。

手術の前に知っておいていただきたいこと

手術を検討される前に、必ず確認していただきたいことがあります。手術で改善しやすい症状と、術後も残りやすい症状があるということです。間欠性跛行(少し歩くと足が重くなる症状)や比較的最近出た神経症状は改善しやすいです。一方で、長期間続いたしびれや感覚の変化は、手術後も完全には取れないことがあります。「手術したのにしびれが残っている」という話を聞くことがありますが、これは手術が失敗したのではなく、もともと改善が難しい症状だったケースがほとんどです。この点を術前に理解しておくことが、手術後の納得感に大きく関わります。

また、手術を勧められたものの判断に迷っている場合は、セカンドオピニオンを遠慮する必要はありません。主治医を疑うということではなく、患者さんご自身が納得して判断するための大切な手段です。当院でもセカンドオピニオンのご相談を承っています。

さいたま市・埼玉からご受診の方へ

埼玉県内で、日本整形外科学会が認定する脊椎内視鏡下手術・技術認定医(3種─経皮的内視鏡下脊椎手技)の常勤医が在籍する施設は、現時点では当院(さいたま記念病院)のみです。これは「ここが一番」ということを言いたいのではなく、受診先を選ぶ際の一つの客観的な情報として知っておいていただければと思います。受診の際はまず外来でMRIなどをもとに状態を確認し、手術の適応・内容・リスクについて丁寧にご説明した上で、最終的な判断は患者さんご本人にしていただいています。

油井 充(脊椎脊髄外科専門医・脊椎内視鏡下手術・技術認定医[3種─経皮的内視鏡下脊椎手技])

油井 充
油井 充(ゆい みつる)
脊椎外科医 | 日本整形外科学会 脊椎内視鏡下手術・技術認定医(第3種)
FESS(脊椎内視鏡手術)を専門とし、体に負担の少ない低侵襲治療を追求しています。