脊柱管狭窄症と診断されたとき、多くの方が悩むのが
「手術が必要なのか?」という点です。
結論から言うと、すべての人に手術が必要なわけではありません。
この記事では、どのような場合に手術を検討するべきかを、
脊椎外科医の立場から分かりやすく解説します。
手術が必要かどうかの基本的な考え方
脊柱管狭窄症の治療は、まず保存療法から始めるのが基本です。
薬やリハビリ、時にブロック注射で症状が改善する場合は、手術を行う必要はありません。
一方で、日常生活に支障が出ている場合や、症状が進行している場合には手術を検討します。
手術を検討する具体的な目安
以下のような場合には、手術を検討することが多くなります。
・歩ける距離がどんどん短くなっている
・少し歩くだけで足の痛みやしびれが強くなる
・休まないと歩けない(間欠性跛行)
・薬やリハビリで改善しない
注意が必要な症状(早めの受診が必要)
次のような症状がある場合は、注意が必要です。
・足に力が入りにくい(脱力)
・つまずきやすい
・排尿や排便の異常
これらは神経のダメージが進んでいるサインの可能性があり、早めの診断・治療が重要です。
手術を急がなくてよいケース
すべての脊柱管狭窄症が手術になるわけではありません。
・症状が軽い
・日常生活に支障が少ない
・改善傾向にある
このような場合は、保存療法で様子を見ることが一般的です。
手術について
手術では、神経を圧迫している部分を取り除きます。
最近では、体への負担をできるだけ少なくするために、
小さな傷で行う脊椎内視鏡手術(FESS)といった方法もあります。
患者さんの状態に応じて、最適な治療方法を選択することが重要です。
まとめ
脊柱管狭窄症では、すべての人に手術が必要なわけではありません。
しかし、
・歩ける距離が短くなっている(10-15分の間欠性跛行)
・日常生活に支障がある
・症状が進行している
このような場合には、手術を検討する一般的なタイミングといえます。
私の外来では、次のような症状の方が手術を受けることがあります。
・痛みが強く、夜も眠れない
・薬を続けているが、やめると症状が悪化してしまう
・20分程度歩くと足の痛みやしびれで休まないといけない(間欠性跛行)
・座っていると痛みが強く、長時間座っていられない
このように日常生活に支障が出ている場合には、手術を検討する一つの目安となります。
一方で、症状が進行しすぎてしまうと注意が必要です。
例えば、
「痛みが強く横になったままで座れない」「立つことも難しい」
といった状態まで進行すると、手術を行っても十分に歩行機能が回復しない可能性があります。
「まだ大丈夫」と思って受診が遅れるケースも少なくありません。
症状が悪化する前の段階で、整形外科を受診し適切な治療を検討することが大切です。

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